測量士補試験攻略

【ひと記事で丸わかり】令和4年(2022年)測量士補試験No.16の解答・解説~地形測量のうち現地測量~

あさひ
この記事を書いているのは現役の測量士です。本記事では令和4年測量士補試験のNo.16の内容について詳しく解説していきます。

必要な用語や手法に関する解説も一緒におこなっていきますので、参考書代わりに本記事を使ってみてください。

令和4年測量士補試験No.16の問題文

 次の文は,公共測量における地形測量のうち現地測量について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。

  1. 地形の状況により,基準点からの細部測量が困難なため,ネットワーク型 RTK 法によりTS 点を設置した。
  2. 現地測量に GNSS 測量機を用いる場合,トータルステーションは併用してはならない。
  3. 現地測量により作成する数値地形図データの地図情報レベルは,原則として 1000 以下とし250,500 及び 1000 を標準とする。
  4. トータルステーションを用いて,地形,地物などの水平位置を放射法により測定した。
  5. 編集作業において,地物の取得漏れが判明したため,補備測量を実施した。

令和4年測量士補試験問題集 No16)

地形測量」の分野からの出題です。

解答は「2」となります。以下、各選択肢の詳しい解説です。

選択肢1について

『地形の状況により,基準点からの細部測量が困難なため,ネットワーク型 RTK 法によりTS 点を設置した。』

上記文章は正しいです。

国土地理院が定める作業規程の準則の第3編 第2章 第4節 第1款 第117条および第119条に以下の通り記載があります。

第117条
地形、地物等の状況により、基準点にTS等又はGNSS測量機を整置して細部測量を行うことが困難な場合は、TS点を設置することができる。

第119条
キネマティック法又はRTK法によるTS点の設置は、基準点にGNSS測量機を整置し、放射法により行うものとする。

作業規程の準則 P51-52)

上記条文から

  • 計測対象や周囲の状況によってTSやGNSS測量機で細部測量を行うことが困難な場合はTS点を設置できること
  • GNSS測量機を用いたキネマティック法やRTK法でTS点を設置すること

を読み取ることができます。

よって選択肢1の文章と内容が一致するので、選択肢1は正しいです。

選択肢2について

『現地測量に GNSS 測量機を用いる場合,トータルステーションは併用してはならない。』

上記文章は間違いです。

国土地理院が定める作業規程の準則の第3編 第2章 第1節 第109条に以下の通り記載があります。

109条
「現地測量」とは、現地においてTS等又はGNSS測量機を用いて、又は併用して、地形、地物等を測定し、数値地形図データを作成する作業をいう。

作業規程の準則 P50)

上記条文から、現地測量とは

  • TSやGNSS測量機を用いて、もしくは併用して行うこと
  • 上記手段で地形・地物を測定して数値地形図データを作成する作業であること

がわかります。

選択肢2の文章では「現地測量に GNSS 測量機を用いる場合,トータルステーションは併用してはならない」となっており、「TSとGNSS測量機を併用可能」としている作業規程の準則の条文とは矛盾が生じます。

よって選択肢2は間違いということになります。

選択肢3について

『現地測量により作成する数値地形図データの地図情報レベルは,原則として 1000 以下とし250,500 及び 1000 を標準とする。』

上記文章は正しいです。

国土地理院が定める作業規程の準則の第3編 第2章 第1節 第111条に以下の通り記載があります。

第111条
現地測量により作成する数値地形図データの地図情報レベルは、原則として1000以下とし250、500及び1000を標準とする。

作業規程の準則 P50)

上記条文と選択肢の文章は完全に一致しているので、選択肢3は正しいと言えます。

選択肢4について

『トータルステーションを用いて,地形,地物などの水平位置を放射法により測定した。』

上記文章は正しいです。

国土地理院が定める作業規程の準則の第3編 第2章 第4節 第2款 第122条に以下の通り記載があります。

第122条
TS等を用いる地形、地物等の測定は、基準点又はTS点にTS等を整置し、放射法等により行うものとする。

作業規程の準則 P53)

上記条文より、放射法で地形や地物を測定することを認められているので選択肢4の文章のおこないは正しいです。

よって選択肢4は正しいということになります。

選択肢5について

『編集作業において,地物の取得漏れが判明したため,補備測量を実施した。』

上記文章は正しいです。

国土地理院が定める作業規程の準則の第3編 第2章 第6節 第127条に以下の通り記載があります。

第127条
「補備測量」とは、取得漏れや経年変化等をTS等により、現地で直接測量する作業をいう。

作業規程の準則 P55)

上記条文から、補備測量を実施する目的は

  • 取得漏れ
  • 経年変化

などがあたることが分かります。

選択肢5の文章では「編集作業中に取得漏れが判明した」ため補備測量を実施しているので、作業規程の準則の条文の内容と一致します。

よって選択肢5の文章は正しいということになります。

令和4年測量士補試験No.16のまとめ

「地形測量」からの出題でした。

現地測量に関する正誤の問題は、毎年のように出題される重要な内容です。

必ず得点源としておさえておいて欲しいところとなります。

過去問を3~5年分ほどやればほとんどの選択肢の内容はつぶせるので、過去問にもチャレンジしましょう!

令和4年測量士補試験No.16の類題

他年度の測量士補試験に出題された本問の類題です!ぜひチャレンジしてみてください!

令和2年測量士補試験問題集NO.15→問題文及び解説記事はコチラ

令和3年測量士補試験問題集NO.14→問題文及び解説記事はコチラ

その他の測量士補試験の問題に挑戦!

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本ブログでは各問題の解説を年度ごとに一覧にまとめたページがありますので、ぜひその記事からその他の問題に挑戦してみてください!

問題解説のまとめ記事はコチラからどうぞ!→過去問に挑戦!現役測量士の解説を読んで測量士補試験を攻略しよう!

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