必要な用語や手法に関する解説も一緒におこなっていきますので、参考書代わりに本記事を使ってみてください。
目次
令和4年測量士補試験No.17の問題文
公共測量における航空レーザ測量において,格子状の標高データである数値標高モデルを格子間隔 1 m で作成する計画に基づき航空レーザ計測を行い,三次元計測データを作成した。図 17は得られた三次元計測データの一部範囲の分布を示したものである。この範囲における欠測率は
幾らか。最も近いものを次の中から選べ。
なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。
- 7 %
- 9 %
- 17 %
- 24 %
- 29 %
(令和4年測量士補試験問題集 No17)
令和4年測量士補試験No.17の解答・解説
「写真測量」の分野からの出題です。
解答は「2」となります。以下、用語と詳しい計算手順の解説です。
欠測率について
国土地理院が定める作業規程の準則の第3篇 第10章 第6節 第435条の1~3では、欠測率について以下のように記載があります。
第435条
欠測率の計算は、計画する格子間隔を単位とし、三次元計測データの欠測の割合を算出するものとする。
2 「欠測」とは、三次元計測データを格子間隔で区切り、1つの格子内に三次元計測データがない場合をいう。ただし、水部は含まないものとする。
3 欠測率は、対象面積に対する欠測の割合を示すものであり、次の計算式で求めるものとする。
欠測率=(欠測格子数/格子数)×100(作業規程の準則 P121)
上記条文で理解しておきたいのは、
- 欠測とは三次元計測データを格子状に区切ったときに、その格子の中に三次元計測データがない場合をいう
- 欠測に、水部は含まない
- 欠測率は計測した対象範囲に対して、欠測している箇所がどのぐらいあるかを表した指標
- 欠測率の計算は(欠測格子数/格子数)×100でおこなう
ということです。
特に勘違いが多いのは、「水部は含まない」という点について。
この「水部は含まない」は欠測率の計算そのものに水部を含まないということなので、必ずおさえておきましょう!
例えば、上図の場合であれば格子数が25個と数えてしまいがちですが、水部の格子が4個あるので全体の格子数は25-21=4個となります。
以上のことをふまえて、欠測率の計算をしていきましょう!
欠測率の計算手順
欠測率を計算するには、以下の手順で進めていきます。
- 全体の格子数と欠測している格子数を数える
- 欠測率の計算式にあてはめる
それでは、それぞれの手順をみていきます。
手順1 全体の格子数と欠測している格子数を数える
まずは、全体の格子数を数えていきます。
地道に数えていきましょう!数え間違いが怖いので、必ず2回は数えたほうが良いです。
全体の格子数に水部の格子は含まないので、そこに注意しながら数えていきます…上図のオレンジ枠内が全体の格子の範囲、青部分が水部です。
この状態で格子数を数えてみると、全部で45個ありました。
続いて、欠測している格子を数えていきます。
欠測している箇所(緑部分)を数えると、全部で4個ありそうです。
欠測箇所の数え間違いも怖いので、必ず2回は数えましょう!
というわけで
- 全体の格子数:45個
- 欠測している格子数:4個
と数えることができました!
手順2 欠測率の計算式にあてはめる
手順1で数えた格子の数を使用して、欠測率を計算していきます。
欠測率を計算するときは
欠測率=(欠測格子数/格子数)×100
の計算式を利用します。
欠測格子数=4、格子数=45なのでそれぞれの数値を計算式に当てはめると
欠測率=(欠測格子数/格子数)×100
=(4/45)×100
≒9
となります。
よって欠測率=9%です。
上記数値は選択肢の2と一致しますので、本問の正解は「2」となります。
令和4年測量士補試験No.17のまとめ
「写真測量」からの出題でした
航空レーザー測量の欠測率の計算に関する問題は、令和4年が初めての出題だったのではないでしょうか?
計算自体はとても簡単なので、覚えておきたい内容です。
また、欠測率は実務で航空レーザー計測をおこなえば、ほぼ必ず客先へ提出する大切な指標です。概念も含めて理解しておきましょう!
その他の測量士補試験の問題に挑戦!
令和4年のNO.17の問題を確認したら、その他の問題にも挑戦していきましょう!
本ブログでは各問題の解説を年度ごとに一覧にまとめたページがありますので、ぜひその記事からその他の問題に挑戦してみてください!
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