必要な用語や手法に関する解説も一緒におこなっていきますので、参考書代わりに本記事を使ってみてください。
目次
令和3年測量士補試験No.5の問題文
次のa〜eの文は,トータルステーションを用いた基準点測量の点検計算について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の中から選べ。
- 点検路線は,既知点と既知点を結合させる。
- 点検路線は,なるべく長いものとする。
- すべての既知点は,1つ以上の点検路線で結合させる。
- すべての単位多角形は,路線の1つ以上を点検路線と重複させる。
- 点検計算(水平位置及び標高の閉合差)の結果が許容範囲を超えた場合は,点検路線の経路を変更して再計算する。
- a,c
- a,d
- b,d
- b,e
- c,e
(令和3年測量士補試験問題集 No5より)
令和3年測量士補試験No.5の解答・解説
「多角測量」の分野からの出題になります。
a→〇
b→✕
c→〇
d→〇
e→✕
となりますので解答は「4」となります。以下、詳しい解説です。
トータルステーションを用いた基準点測量の点検計算について
トータルステーションを用いた基準点測量の点検計算については、
- 測量法第34条で定める作業規程の準則
の「第2編基準点測量 第2章基準点測量 第6節計算 第42条 (点検計算及び再測)」にまとめられています。
以下、記載されている内容の抜粋です。
点検計算は、観測終了後、次の各号により行うものとする。点検計算の結果、許容範囲を超えた場合は、再測を行う等適切な措置を講ずるものとする。
一 TS等観測
イ 全ての単位多角形及び次の条件により選定された全ての点検路線について、水平位置及び標高の閉合差を計算し、観測値の良否を判定するものとする。
(1)点検路線は、既知点と既知点を結合させるものとする。
(2)点検路線は、なるべく短いものとする。
(3)全ての既知点は、1つ以上の点検路線で結合させるものとする。
(4)全ての単位多角形は、路線の1つ以上を点検路線と重複させるものとする。(作業規程の準則より)
作業規程の準則の内容はインターネットで確認できますので、リンクを貼っておきます→作業規程の準則(該当箇所は25P)
この内容と各選択肢を見比べて、正誤の確認をしてみましょう!
選択肢aについて
内容は正しいです。
選択肢aの内容は、作業規程の準則の点検計算及び再測で定められた文章の(1)に該当します。
点検路線は既知点と既知点を結合させるように記載がありますね。
選択肢bについて
内容は間違いです。
選択肢bの内容は、作業規程の準則の点検計算及び再測で定められた文章の(2)に近いです。
選択肢bは点検路線をなるべく長くする旨の記載がありますが、実際の作業規程の準則では点検路線をなるべく短くするように求められています。
よって選択肢bと作業規程の準則で矛盾が生じているため間違いです。
選択肢cについて
内容は正しいです。
選択肢cの内容は、作業規程の準則の点検計算及び再測で定められた文章の(3)に該当します。
全ての既知点は、1つ以上の点検路線で結合させるよう記載がありますね。
選択肢dについて
内容は正しいです。
選択肢dの内容は、作業規程の準則の点検計算及び再測で定められた文章の(4)に該当します。
全ての単位多角形は、路線の1つ以上を点検路線と重複させるよう記載がありますね。
選択肢eについて
内容は間違いです。
点検計算の結果が許容範囲を超えた場合は、再測をおこなうなどの適切な措置が必要です。
点検計算の結果が許容範囲を超えた原因を探さずに点検路線の路線を変更することは間違いとなります。
令和3年測量士補試験No.5のまとめ
「多角測量」からの出題でした。
点検計算の決まり事のように作業規程の準則を絡めた内容は毎年出てきますので、必ず押さえておきましょう!!
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