測量士補試験攻略

【ひと記事で丸わかり】令和4年(2022年)測量士補試験No.27の解答・解説~三角形の土地の面積計算~

あさひ
この記事を書いているのは現役の測量士です。本記事では令和4年測量士補試験のNo.27の内容について詳しく解説していきます。

必要な用語や手法に関する解説も一緒におこなっていきますので、参考書代わりに本記事を使ってみてください。

その他の過去問の解説記事はコチラのリンクからどうぞ。

令和4年測量士補試験No.27の問題文

 地点 A,B,C で囲まれた三角形 ABC の土地の面積を算出するため,公共測量で設置された4 級基準点から,トータルステーションを使用して測量を実施した。 4 級基準点から三角形の頂点にあたる地点 A,B,C を観測した結果は表 27 のとおりである。この土地の面積は幾らか。最も近いものを次の中から選べ。
 なお,関数の値が必要な場合は,巻末の関数表を使用すること。

表27
表27

  1. 945 ㎡
  2. 1,006 ㎡
  3. 1,067 ㎡
  4. 1,128 ㎡
  5. 1,189 ㎡

令和4年測量士補試験問題集 No27)

令和4年測量士補試験No.27の解答・解説

応用測量」の分野からの出題です。

正解は「4」となります。

以下、詳しい土地の面積の導き方の解説です。

地点A、B、Cで囲まれた三角形の土地の面積の求め方

地点A、B、Cで囲まれた三角形の土地の面積の求めるには、次のような手順を踏んでいきます。

  1. 問題文からわかる情報で図を作成する
  2. 地点A、B、Cの座標を求める
  3. 座標法の面積計算で地点A、B、Cで囲まれた三角形の土地の面積を出す

それでは、1つ1つの手順を詳しく見ていきましょう!

手順1 問題文からわかる情報で図を作成する

まずは、問題の内容をイメージしやすいように図を作成していきます。

今回の問題では「 4 級基準点から三角形の頂点にあたる地点 A,B,C を観測した結果は表 27」という情報のみなので、それを元に図を描いていきます。

表27

ここでポイントなのが「 4 級基準点を原点にしてA,B,Cの3点をXY座標上に配置すること」です。

図で表すと以下のようになります。

図で表す

試験当日はフリーハンドで書くことになると思うので、やんわりと位置関係がわかれば大丈夫です。

方向角の概念がわかっていないとこの問題は解けないので、不安な方はまず方向角についてマスターしましょう!

 

手順2 地点A、B、Cの座標を求める

手順2では、地点A、B、Cの各座標を求めていきます。

各地点と座標軸で構成される三角形がそれぞれあるのでsinやcosを使用して計算すればいいのですが、sinやcosに慣れていない人には少し難しい所です…。

そこで下図のように各地点から横軸に向かって垂直な線を引いて各地点の三角形を作ってみると、sinやcosの使い方がわかりやすくなります。

各地点から垂線をおろした図

上図のように垂線を引くと、各点を含んだ直角三角形が3つできあがります。

直角三角形のうち、斜めの辺と角度が分かっているので、sinとcosの関係を利用すると各地点のX座標とY座標を出すことが可能です。

ちなみにsinとcosの計算の方法は下図のように形でイメージすると覚えやすいです。

座標を知りたい地点sin_cos2

上記手法で導き出した各地点の座標はsinとcosを用いると次のようにも表すことができます。

座標を知りたい地点2よって各地点のそれぞれの座標は、次の計算で求めることが可能です。

地点Aについて

Aの座標計算結果

地点Bについて

Bの座標計算結果

地点Cについて

Cの座標計算結果

よって各地点の(X,Y)のそれぞれの座標は

  • 地点A=(35.356,35.356)
  • 地点B=(0,20)
  • 地点C=(43.302,-25)

となります。地点Cの位置はY軸の-(マイナス)側にいることに注意しましょう!

手順3 座標法の面積計算で地点A、B、Cで囲まれた三角形の土地の面積を出す

各地点で囲まれた地形の面積を求めるには、座標法という面積計算の方法を使います。

面積計算を行うには各地点を時計回りに番号付けし、表にまとめる必要があります。

時計回りの出発点はどこでもいいので、本問では地点Aを1番として、時計回りに地点を2番、Cを3番に番号付けして表にします。

時計回りに番号付け

次に、各地点の「Y(n+1)-Y(n-1)」の値を出していきます。

例えば、地点Aの場合は「地点B(2番)のY座標の値」から「地点C(3番)のY座標の値」を引くことで「Y(n+1)-Y(n-1)」の値を求めることができます。

まとめると、以下の表のようになります。

表へのまとめ1

計算すると以下のような感じですね。

表へのまとめ2

上記の計算が終わったら、その計算結果に対してX座標をかけていきます。

表へのまとめ3

計算すると以下のような結果になります。

表へのまとめ5

ここまできたら、後は上記の計算結果を全て足して、それを2で割れば完了です。

表へのまとめ6

よって、地点A、B、Cで囲まれた三角形の土地の面積は1,132.03276≒1,132㎡と計算出来ました。

11,32㎡に最も近い値の選択肢は4ですので正解は「4」となります。

令和4年測量士補試験No.27のまとめ

応用測量の分野からの出題でした。

最後まで解いていただいた方は、長い道のりに感じかられたかと思います。

ただ、この座標法による面積計算は頻出なので測量士補試験にとっては必須の知識です!

今回の問いでは三角形の地形でしたが、四角形の場合もありますので様々なパターンに対応できるようにしていきましょう!

令和4年測量士補試験No.27の類題

他年度の測量士補試験に出題された本問の類題です!ぜひチャレンジしてみてください!

令和2年測量士補試験問題集NO.27→問題文及び解説記事はコチラ

令和3年測量士補試験問題集NO.27→問題文及び解説記事はコチラ

その他の測量士補試験の問題に挑戦!

令和4年のNO.27の問題を確認したら、その他の問題にも挑戦していきましょう!

本ブログでは各問題の解説を年度ごとに一覧にまとめたページがありますので、ぜひその記事からその他の問題に挑戦してみてください!

問題解説のまとめ記事はコチラからどうぞ!→過去問に挑戦!現役測量士の解説を読んで測量士補試験を攻略しよう!

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