測量士補試験攻略

【ひと記事で丸わかり】令和4年(2022年)測量士補試験No.14の解答・解説~等高線による地形表現~

あさひ
この記事を書いているのは現役の測量士です。本記事では令和4年測量士補試験のNo.14の内容について詳しく解説していきます。

必要な用語や手法に関する解説も一緒におこなっていきますので、参考書代わりに本記事を使ってみてください。

令和4年測量士補試験No.14の問題文

 次のa~dの文は,公共測量の地形測量における等高線による地形表現について述べたものである。(ア)~(オ)に入る語句の組合せとして最も適当なものはどれか。次の中から選べ。

  1. 等高線は,間隔が広いほど傾斜が(ア)地形を表す。
  2. 等高線の区分において,(イ)とは, 0mの(ウ)及びこれより起算して 5 本目ごとの(ウ)をいう。
  3. 等高線は,山頂のほか凹地でも(エ)する。
  4. 等高線が谷を横断するときは,谷を(オ)から谷筋を直角に横断する。
  1. (ア)緩やかな(イ)計曲線(ウ)主曲線(エ)閉合(オ)上流の方へ上がって
  2. (ア)急な(イ)補助曲線(ウ)計曲線(エ)交差(オ)下流の方へ下がって
  3. (ア)緩やかな(イ)主曲線(ウ)補助曲線(エ)閉合(オ)下流の方へ下がって
  4. (ア)急な(イ)計曲線(ウ)主曲線(エ)閉合(オ)下流の方へ下がって
  5. (ア)緩やかな(イ)補助曲線(ウ)計曲線(エ)交差(オ)上流の方へ上がって

令和4年測量士補試験問題集 No14)

令和4年測量士補試験No.14の解答・解説

地形測量」の分野からの出題です。

解答は「1」となります。以下、各語句の詳しい解説です。

(ア)について

等高線は,間隔が広いほど傾斜が(ア)地形を表す。

(ア)には「緩やかな」と「急な」のうち、「緩やかな」が入ります。

等高線は、間隔が広いほど緩やかで、狭くなるほど急な傾斜になります。

等高線が書かれた地図を、横からイメージしてみると分かりやすいですね。

等高線の間隔と緩急

上記図からも等高線の間隔が広いほど傾斜が緩やかになることがわかるので、(ア)には「緩やかな」が入ります。

(イ)および(ウ)について

『等高線の区分において,(イ)とは, 0mの(ウ)及びこれより起算して 5 本目ごとの(ウ)をいう。』

「計曲線」と「主曲線」と「補助曲線」のうち(イ)には「計曲線」が、(ウ)には「主曲線」が入ります。

等高線にはいくつか表現の種類があります。例えば

  • 計曲線
  • 主曲線
  • 補助曲線

などです。

それぞれの意味は、作業規程の準則の付録7の公共測量標準図式の中に載っています。

記載された内容は次の通りです。

等高線(計曲線)
0mの主曲線及びこれより起算して5本目ごとの主曲線をいう。地図情報レベル1000以下は5mごと、2500では10mごと、5000では25mごとの等高線を表示する。

等高線(主曲線)
平均海面から起算して1mごとの等高線をいう。
地図情報レベル2500では平均海面から起算して2mごと、5000では5mごとの等高線を表示する。

等高線(補助曲線)
補助曲線は、緩傾斜地又は複雑な地形を示す地域等で主曲線だけでは地形を適切に表現できない部分について、主曲線の1/2の間隔に表示する。

公共測量標準図式 P117)

等高線(計曲線)の文章から(イ)には計曲線、(ウ)には主曲線が入ることが分かります。

また、各等高線を地図で表すと次のようになります。

計曲線_主曲線_補助曲線

上図では、等高線を1m間隔で表現しています。

計曲線は5本目ごとの主曲線を言うので、計曲線と計曲線の間には4本の主曲線があります。

計曲線は0mから起算して主曲線の5本目ごとの線を言うので、0m、5m、10mなどが計曲線になります。

また、地形的な補助表現をするための補助曲線も描かれていますね。

補助曲線は主曲線の1/2の間隔に表示するので、上図では主曲線から0.5m高い位置を表現しています。

(エ)について

『等高線は,山頂のほか凹地でも(エ)する。』

「閉合」と「交差」のうち、(エ)には「閉合」が入ります。

「閉合」とは多角形や丸のように閉じた状態を表します。

閉合の例また、「凹地」は「おうち」や「くぼち」と読み、周りよりもくぼんでいる(高さが低くなっている)場所を指します。

凹地等高線を見てもらえばわかりますが、基本的に「閉合」しています。

凹地についても同様で、同じ高さの地点をつないでいくと上図のように閉合します。

よって、(エ)には「閉合」が入ります。

(オ)について

『等高線が谷を横断するときは,谷を(オ)から谷筋を直角に横断する。』

「上流の方へ上がって」と「下流の方へ下がって」のうち、(オ)には「上流の方へ上がって」が入ります。

まず、「谷」は山と山の間にあるくぼんだ地形を指します。谷部分にはよく河川がありますね。

日本で有名な宮崎県にある高千穂峡なんかも、谷の一種です。

谷の地形を横から見てみると以下のようになります。

谷

それでは、実際に上記のような谷を等高線が通るときはどのようになるのでしょうか?

今度は、谷と山の等高線を上の方向から見てみます。

谷の等高線

上図では、谷部分の左側の方が上流側(=標高が高い)で右側が下流側(=標高が低い)です。

山の等高線を見てみると、上流側の方へ等高線が曲がっているのが分かると思います。

そして谷に等高線が入るときに、直角に横断していますね。

よって、(オ)には「上流の方へ上がって」が入ります。

(ア)~(オ)のまとめ

各語句の解説により、(ア)~(オ)にはそれぞれ

(ア)緩やかな
(イ)計曲線
(ウ)主曲線
(エ)閉合
(オ)上流の方へ上がって

が入ることが分かりました。

上記組み合わせを満たすのは「1」なので、正しい選択肢は「1」であることがわかります。

令和4年測量士補試験No.14のまとめ

「地形測量」からの出題でした。

等高線は見慣れない人にとってはとてもイメージしづらいもので、わたしの職場ではすぐにイメージできる人とそうでない人で分かれていました。

ただ、どんな人でも最終的にはちゃんと見れるようになっています!

根気強く特徴を捉えていきましょう!

その他の測量士補試験の問題に挑戦!

令和4年のNO.14の問題を確認したら、その他の問題にも挑戦していきましょう!

本ブログでは各問題の解説を年度ごとに一覧にまとめたページがありますので、ぜひその記事からその他の問題に挑戦してみてください!

問題解説のまとめ記事はコチラからどうぞ!→過去問に挑戦!現役測量士の解説を読んで測量士補試験を攻略しよう!

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