測量士補試験攻略

【ひと記事で丸わかり】令和4年(2022年)測量士補試験No.18の解答・解説~UAV写真測量~

あさひ
この記事を書いているのは現役の測量士です。本記事では令和4年測量士補試験のNo.18の内容について詳しく解説していきます。

必要な用語や手法に関する解説も一緒におこなっていきますので、参考書代わりに本記事を使ってみてください。

令和4年測量士補試験No.18の問題文

次の文は,公共測量における UAV(無人航空機)写真測量について述べたものである。明らかに間違っているものはどれか。次の中から選べ。

  1. UAV 写真測量により作成する数値地形図データの地図情報レベルは,250 及び 500 を標準とする。
  2. UAV 写真測量に用いるデジタルカメラは,性能等が当該測量に適用する作業規程に規定されている条件を満たしていれば,一般的に市販されているデジタルカメラを使用してもよい。
  3. UAV 写真測量において,数値写真上で周辺地物との色調差が明瞭な構造物が測定できる場合は,その構造物を標定点及び対空標識に代えることができる。
  4. 計画対地高度に対する実際の飛行の対地高度のずれは,30 % 以内とする。
  5. 撮影飛行中に他の UAV 等の接近が確認された場合には,直ちに撮影飛行を中止する。

令和4年測量士補試験問題集 No18)

令和4年測量士補試験No.18の解答・解説

写真測量」の分野からの出題です。

解答は「4」となります。以下、各選択肢の詳しい解説です。

選択肢1について

『UAV 写真測量により作成する数値地形図データの地図情報レベルは,250 及び 500 を標準とする。』

この文章は正しいです。

国土地理院が定める作業規程の準則の第3編 第5章 第1節 第250条に、以下の通り記載があります。

第215条
UAV写真測量により作成する数値地形図データの地図情報レベルは、250及び500を標準とする。

作業規程の準則 P73)

上記条文の内容は選択肢1の文章と一致しています。

よって選択肢1の文章は正しいと言えます。

選択肢2について

『UAV 写真測量に用いるデジタルカメラは,性能等が当該測量に適用する作業規程に規定されている条件を満たしていれば,一般的に市販されているデジタルカメラを使用してもよい。』

この文章は正しいです。

国土地理院が定める作業規程の準則の第3編 第5章 第4節 第226条に、以下の通り記載があります。

第226条
撮影に使用するデジタルカメラの本体は、次の各号の性能及び機能を有することを標準とする。
一 焦点距離、露光時間、絞り、ISO感度が手動で設定できること。
二 レンズの焦点の距離を調整したり、レンズのブレ等を補正したりする自動処理機能を解除できること。
三 焦点距離や露光時間等の情報が確認できること。
四 十分な記録容量を確保できること。
五 撮像素子サイズ及び記録画素数の情報が確認できること。
2 撮影に使用するデジタルカメラのレンズは、単焦点のものを標準とする。
3 撮影した画像は、非圧縮形式で記録することを標準とする。

作業規程の準則 P75)

作業規程の準則ではカメラの機能のみに言及していて、機種については特に定めていません。

そのため条文の条件を満たしていれば、市販のカメラを使用しても構わないと言えます。

よって選択肢2の文章は正しいと言えます。

ただ、市販のカメラをそのまま使用して良いかと言えばそういうわけではありません。

キャリブレーションというカメラのパラメーターを求める作業が必須となります。

カメラキャリブレーションについては、作業規程の準則の第3編 第5章 第4節 第227条に、以下の通り定めています。

第227条
撮影に使用するデジタルカメラは、独立したカメラキャリブレーションを行ったものでなければならない。

作業規程の準則 P75)

選択肢3について

『UAV 写真測量において,数値写真上で周辺地物との色調差が明瞭な構造物が測定できる場合は,その構造物を標定点及び対空標識に代えることができる。』

この文章は正しいです。

国土地理院が定める作業規程の準則の第3編 第5章 第3節 第220条の2の四に、以下の通り記載があります。

2 対空標識の設置に当たっては、次の各号に定める事項に留意する。
四 数値写真上で周辺地物との色調差が明瞭な構造物が測定できる場合は、その構造物を標定点及び対空標識に代えることができる。

作業規程の準則 P74)

上記条文の内容は選択肢3の文章と一致しています。

よって選択肢3の文章は正しいと言えます。

ここでいう、周辺地物との色調差が明瞭な構造物とはマンホールなどがあたると考えられます。

選択肢4について

『計画対地高度に対する実際の飛行の対地高度のずれは,30 % 以内とする。』

この文章は間違いです。

国土地理院が定める作業規程の準則の第3編 第5章 第4節 第230条の一に、以下の通り記載があります。

第230条
撮影飛行は、次の各号により行うものとする。
一 計画対地高度及び計画撮影コースを保持するものとする。計画対地高度に対する実際の飛行の対地高度のずれは、10パーセント以内とする。

作業規程の準則 P77)

条文では「対地高度のずれは10パーセント以内」と定めています。

一方で、選択肢4の文章では「対地高度のずれは、30%以内」と書かれています。

よって、選択肢の文章と条文で矛盾が生じていますので、選択肢4は間違いということになります。

選択肢5について

『撮影飛行中に他の UAV 等の接近が確認された場合には,直ちに撮影飛行を中止する。』

この文章は正しいです。

国土地理院が定める作業規程の準則の第3編 第5章 第4節 第230条の四に、以下の通り記載があります。

第230条
撮影飛行は、次の各号により行うものとする。
四 他のUAV等の接近が確認された場合には、ただちに撮影飛行を中止する。

作業規程の準則 P77)

上記条文の内容は選択肢5の文章と一致しています。

よって選択肢5の文章は正しいと言えます。

選択肢1~5のまとめ

選択肢1~5の正誤をまとめると

選択肢1:正しい
選択肢2:正しい
選択肢3:正しい
選択肢4:間違い
選択肢5:正しい

となっています。

本問では明らかに間違っているものを選ぶように指示されているため、正解は「4」となります。

令和4年測量士補試験No.18のまとめ

「写真測量」からの出題でした。

UAVに関する問題は去年から出題されていて、今後も頻出となることが予想されます。

いまや測量業界では当たり前の手法の1つになっているので、必ずマークしておきましょう!

令和4年測量士補試験No.18の類題

他年度の測量士補試験に出題された本問の類題です!ぜひチャレンジしてみてください!

令和2年測量士補試験問題集NO.18→問題文及び解説記事はコチラ

令和3年測量士補試験問題集NO.20→問題文及び解説記事はコチラ

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