必要な用語や手法に関する解説も一緒におこなっていきますので、参考書代わりに本記事を使ってみてください。
目次
令和2年測量士補試験No.16の問題文
数値地形モデルの標高値の点検を，現地の 5 地点で計測した標高値との比較により実施したい。各地点における数値地形モデルの標高値と現地で計測した標高値は表16のとおりである。標高値の精度を点検するための値σは幾らか。式16を用いて算出し，最も近いものを次の中から選べ。
なお，関数の値が必要な場合は，巻末の関数表を使用すること。
- 0.16 m
- 0.18 m
- 0.35 m
- 0.40 m
- 0.60 m
（令和2年測量士補試験問題集 No.16）
令和2年測量士補試験No.16の解答・解説
「地形測量」の分野からの出題です。
解答は「4」となります。以下、標高値の精度を点検するための値σを導くための詳しい解説です。
計算に使用する関数表はコチラを参考にしてください。→関数表
標高値の精度を点検するための値σを導くための手順
標高値の精度を点検するためには
- 各地点の標高の計測値とモデルの差を求める
- 式16を利用して標高値の精度を点検するための値σを求める
の手順を踏む必要があります。
手順は少ないですが、反復作業が多いのでミスがないように丁寧に1つ1つ手順を進めていきましょう。
手順１ 各地点の標高の計測値とモデルの差を求める
まずは、各地点の標高の計測値とモデルの差を求めていきます。
この各地点の標高の計測値とモデルの差の計算結果は、式16の「地点〇の標高値の差」の中に入ります。
それぞれを計算すると以下のようになります。引き算の順番は「標高値－モデル」でも「モデルー標高値」でもどちらでもよいです。
地点1：29.3－29.5＝－0.2
地点2：72.1－71.5＝0.6
地点3：11.8－12.2＝－0.4
地点4：103.9－103.4＝0.5
地点5：56.4－56.3＝0.1
後で確認しやすいように列を1つ増やして表をまとめておきましょう。
手順２ 式16を利用して標高値の精度を点検するための値σを求める
手順１でそれぞれの地点の標高の差を出しました。また、今回は表16から5地点の計測をおこなっていることがわかるので、計測地点の数を表しているN＝5とです。
以上のことを式16にあてはめると、
となります。
あとはこの中身を計算していくと、
となりますが、ここで√16.4のを計算するのは少し面倒ですよね。
こういうときは関数表を利用していきます。
関数表では√16＝4、√17＝4.12311としており、√16.4はこの√16から√17の間にある数です。
つまり、√16.4の値は4～4.12311の中の数値になります。
よって、σ＝0.1×√16.4の結果は0.4～0.412311の中の数値ということが予想できます。
あとはこの数値に近しい選択肢の数値を選べば答えにたどり着けます。
よって、本問の正解は0.4～0.412311の間の数値を持つ「4」が正解ということになります。
最後に、見直しができるように表16に列を追加してまとめておきましょう。
令和2年測量士補試験No.16のまとめ
「地形測量」からの出題でした。
点検値をもとめるための計算はたまに出ますが、問題文に式が載っているため、案外難しくない問題です。
過去問で1,2問解けばある程度感覚が掴めると思うので、重要な得点源の1つにしちゃいましょう！
令和2年測量士補試験No.16の類題
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令和3年測量士補試験問題集NO.16→問題文及び解説記事はコチラ
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