必要な用語や手法に関する解説も一緒におこなっていきますので、参考書代わりに本記事を使ってみてください。
目次
令和3年測量士補試験No.7の問題文
次のa〜eの文は,トータルステーション(以下「TS」という。)を用いた水平角観測において生じる誤差について述べたものである。明らかに間違っているものだけの組合せはどれか。次の中から選べ。
a.水平軸誤差は,TS の水平軸と鉛直軸が直交していないために生じる誤差である。
b.鉛直軸誤差は,TS の鉛直軸と鉛直線の方向が一致していないために生じる誤差である。
c.視準軸誤差は,TS の視準軸と望遠鏡の視準線が一致していないために生じる誤差である。
d.偏心誤差は,TS の水平目盛盤が,水平軸と平行でないために生じる誤差である。
e.外心誤差は,望遠鏡の視準線が TS の水平軸から外れているために生じる誤差である。(回答群)
1.a,b
2.a,c
3.b,d
4.c,e
5.d,e(令和3年測量士補試験問題集 No7より)
令和3年測量士補試験No.7の解答・解説
「多角測量」の分野からの出題になります。
a→〇
b→〇
c→〇
d→✕
e→✕
となりますので解答は「5」となります。以下、詳しい解説です。
選択肢aについて
内容は正しいです。
水平軸誤差はTS の水平軸と鉛直軸が直交していないために生じる誤差です。
極端に図で表すとこのようになります。
選択肢bについて
内容は正しいです。
鉛直軸誤差はTS の鉛直軸と鉛直線の方向が一致していないために生じる誤差です。
極端に図で表すとこのようになります。
選択肢cについて
内容は正しいです。
視準軸誤差はTS の視準軸と望遠鏡の視準線が一致していないために生じる誤差です。
ちなみに視準とは「トータルステーションを用いて測る対象を覗き見ること」ですね。
トータルステーションの視準するレンズを覗いてみると下図のように十字線が入っています。
TSで測る対象を狙う時はこの十字線を頼りに位置を定めるのですが、そのトータルステーションから目標対象までを狙った線(視準線)と実際の機械にある元々の視準の軸のズレによって発生する誤差が視準軸誤差です。
視準軸と水平軸は本来直交する関係にあるのですが、視準軸誤差があるとこの直交している関係ではなくなり水平方向に誤差がでます。
図で表すとこのようなイメージですね。
選択肢dについて
内容は間違いです。
水平目盛盤に関する偏心誤差は「鉛直軸上に目盛盤中心がないために起こる誤差」です。
水平軸は関係ありません。
図で表すとこのようなイメージですね。
選択肢eについて
内容は間違いです。
外心誤差は視準線が「鉛直軸と水平軸の交点を通らないために起こる誤差」です。
水平軸のみに起因するものではありません。
図で表すとこのようなイメージですね。
令和3年測量士補試験No.7のまとめ
「多角測量」からの出題でした。
トータルステーションの誤差に関する問題は出題頻度が高めなので必ずおさえる必要があります。
色々な誤差が合って覚えることが大変かもしれませんが、トータルステーションにどのような軸があるかをまずはしっかり確認してから、順序だてて進めていきましょう!
出題頻度が高めなので、ここを抑えれば貴重な得点源の1つになります!
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